最高の李粛を決めよう！横山版のあの人は李粛？寺島版は超有能軍師！【赤兎馬おじさん】

李粛ワングランプリ！

そう、ヘッドハンター李粛！

その李粛の中で、最高の李粛を決めよう！

じゃあ最高の赤兎馬オジサンを決めようよ。

まずは、三国志演義の李粛を見てみよう。

元々、宮殿の門を守る役職のようだ。

盧植は北中郎将、董卓も東中郎将をつとめたことがある。

後に関羽と張飛も、曹操に中郎将を任命された。

汜水関の戦いでは、

胡軫、趙岑と共に華雄に従っている。

華雄が鮑信軍の鮑忠を討ち取る一方、

副将の胡軫を孫堅軍の程普に討ち取られてしまった。

勢いにのりたい孫堅軍だが、袁紹・袁術が兵糧を送らない。

李粛は、孫堅軍が食糧不足で混乱していることを知り、

夜襲を華雄に提案した。

孫堅の陣に突入した華雄は、慌てた孫堅と遭遇し斬り結ぶ。

さらに、李粛軍も突入、敵陣に火を放ち、孫堅軍を大混乱に陥れた。

この後、あの祖茂が身代わりとなって、孫堅を逃がす。

また、華雄が関羽に討たれると、

董卓に文書で報告している。

そんな李粛だが、論功行賞に不満だったようで、

王允らの董卓誅殺計画に参加する。

ちなみに、李粛を説得したのは呂布だ。

今度は、呂布が李粛をヘッドハンティングした。

この時の李粛の返しもすごいよ。

「前からあの賊をやろうと思ってた」って。

呂布のヘッドハンティングに、孫堅軍への夜襲と、

立派な功績をあげてるからね。

娘でも欲しかったのかもよ、牛輔みたいに。

王允は李粛に言った。

コトが成功すれば高位は間違いなし、と

「バチーン」と、長安中に鳴り響いたよ。

李粛の任務は、董卓のおびき寄せだ。

その間、数日にわたり董卓に従う必要がある。

しんどいよ、なんせ董卓が矢嵐のように質問を浴びせてきたからね。

「天子の詔は何が書かれてんの？」

「王允はどう思ってる？」

「車の車輪が折れ、馬の轡が切れたぞ、不吉じゃない？」

「風強いし、霧出てるし、不吉じゃない？」

「ガキが変な歌を唄ってるぞ、不吉じゃない？」

「なんだアイツ？」

以前に、伍孚の暗殺未遂があったからね。

李粛は、この圧迫面接みたいな質問の雨を、

すべてうまく返し、董卓を上機嫌にさせた。

白頭巾と黒衣をまとった一人の道士が、

長い竿を持ち、その先には布がつけられていた。

布には、二つの「口」の文字（呂布の呂）。

「キ〇ガイです」

宮中に入った董卓は、殿門に立ちならぶ宝剣を持った王允たちの姿を見た。

再度、董卓は問う。

「なんで、剣をもっているんだ？」

李粛は、ついに答えなかった。

正史の李粛を見てみようか。

演義でだいぶ下駄を履かせてもらってたね。

董卓誅殺計画では、李粛は戟で董卓を突いたからね。

服の下に鎧を着てたから刃は刺さらなかったけど。

こんなヤツに娘をやらなくて、よかったでしょ。

結局、殺されたけど。

では、三国志漫画の李粛を見ていこう！

まずは、横山『三国志』の李粛だ。

横山版では、呂布をヘッドハンティングするところが描かれている。

丁原対董卓との戦いで、呂布が大無双、

ビビリつくした董卓に、李粛がヘッドハンティングに名乗りでる。

「呂布は勇猛ですが、それほど賢くはありません。うまくおだてれば、きっと将軍の味方になりましょう」

「それほど賢くない」って、さらっとひどいことを言っている。

印象に残ってるのは、呂布を落としたときよ。

呂布が完全に落ちた顔をしてる。

劉備三兄弟と戦った時ですら、

こんな顔しなかったからね。

たしかに夜襲の場面は描かれている。

ただ、提案したのはこの人だ！

夜襲を提案したんだから、

李粛でしょ。

趙岑じゃないよ。趙岑は何もしないから。

それが、趙岑。

それに、夜襲を提案したのは李粛なんだから、

李粛で確定よ。

園田・久保田『三国志』李粛の、

ヘッドハンティングは少し毛色違う。

そもそも呂布を捕らえている。

董卓による

張譲殺し、

弁皇子と何太后殺し、

呂布の捕縛、

全部同じ日に起きてる。

李粛は董卓に、呂布を丁原殺しの刺客に、と進言。

「呂布は勇あれど策なく利の前には義を忘れる男です」

李粛により董卓に下った呂布だが、王允の董卓誅殺計画に参加する。

呼び出された王允の屋敷には、李粛の姿があった。

王允らは計画通り董卓を誅殺。

李粛は皇甫嵩と郿塢城（びうじょう）に突撃し、

董卓一族を虐殺、その財宝を奪った。

しかし、董卓残党との戦いに敗北、

呂布の元へ逃げ帰り、

「呂布は勇あれど策なく利の前には義を忘れる男です」

どの口が言ってんだって。

呂布も頭にきたようだ。

李粛の胴体を大刀で突き刺し、そのまま頭部までかち割ってしまった。

台湾の三国志、『火鳳燎原』でも

李粛が呂布の幕僚として登場する。

日本での発刊は全９巻、ほぼ董卓編だからね。

この独特な髭の持ち主が李粛だ！

呂布派と李儒派の対立が激化する中、

李粛は張遼と共に呂布を支え、

ついに、董卓と李儒を討ち取る。

まだ若武者だけど、その武はかなりものよ。

一方、李粛は智で呂布を支えてた。

ただね、

そう、李粛です。

ちょっとよくわからんのよ、そんな場面もなかったし。

ただ、呂布はこう言ってた。

「力不足の仕事ぶりで損失をもたらした偉大なる戦士よ！勇敢な第三軍がすべて犠牲とは！何か理由でも？」

おもしろい作品だと思うんだけど、訳がねえ。

特に後半は難解だ。

願わくば、もう一度ちゃんとした翻訳で再刊してほしいよ。

『SWEET三国志』では、

呂布にボコボコにされヤケ食いしている董卓に、

李粛が言う

「実はこの私、呂布とは幼なじみのマブダチっス」

全然関係ないのに、

地元の恐い先輩の話を、

やたらするヤツとかいたね。

さて、そんな李粛が呂布の元を訪れるも、

呂布は「李粛」の名にピンとこず、

卒業アルバムで確認する。

気持ちわかるわあ。

この李粛を呂布は、

弱いくせにナマイキだと、よくいじめてたようだ。

赤兎馬があるからね。

当時のポルシェ911ターボみたいなもんよ。

『三国志F』でのヘッドハンティングは、

ちょいと特殊だ。

まず、呂布が特殊だ。

金髪に碧眼と異人の特徴を鉄仮面で覆い隠し、

言葉はほとんど発さない。

なので、交渉相手は丁原となる。

李粛は丁原に美男子を送った。

熊本の純米酒じゃない。本物の美少年。

てか、赤兎馬も焼酎だな。

そう、丁原は呂布をマイニングしていた！

そうして、李粛は呂布に揺さぶりをかけた。

梁の上だね。

呂布のタブーに触れて斬られそうになり、

梁の上に飛びあがったよ。

三国志漫画の李粛の中で、

一番活躍しているのは、

寺島・李版『三国志』の李粛かもしれない。

ヘッドハンティングは李儒にとられた。

しかし、汜水関の戦いで、華雄に夜襲を進言している。

「糧をたく煙ひとつあがりませんでしたので」

と、名軍師よ。

さらに、

袁紹の叔父袁隗(えんかい)一族の皆殺しや、

長安遷都、

の進言まで行っている！

三国志演義では、本来李儒の功績だ。

それが、李粛の功績となっている。

まさに、倍返しだ！

裏切ったよ。

「昇進を妨げられて董卓に恨みを持っていた李粛」

との記述がある。

董卓誅殺計画では、

董卓からの質問が３つあり、

すべて巧みにかわしている。

李粛の活躍が描かれているのは、ここまで。

この後の牛輔戦や処刑は描かれていない。

李傕らの手からも逃れ、

どこかで悠々自適と過ごしてそうだよ。

コーエーの『三国志』の李粛を見てみようか。

演義でのヘッドハンティングの力が、

どう表現されてるか気になるね。

個性が「惰弱」だって。嫌な個性つけられたね。

しかし、「政治」が初期から大分おちたよ。

演義での夜襲成功を考慮して、

もう少し知力上げてもらいたいね。

あの孫堅に勝利したんだから。

正史で、董卓を突っついたところかな。

こ、これは…、

李粛がショタとは、

ついに時代はここまで来たか。

陰気くさいオッサンだなあ。

でも、李粛のイメージはこっちだわ。

恥丘防衛軍！！！

いや、恥丘防衛軍の名のインパクトが強すぎて…。

『三国志F』だけは違うよね。

赤兎馬連れてないし。

そうなると、

やはり横山版李粛が、最高の赤兎馬オジサンかな。

夜襲も提案してるし。