…。
なに難しい顔してるんですか？
いや、桃園の誓いってあるでしょ？
三国志ですよね。劉備、関羽、張飛の
「死すときは同じ日同じときを願わん」って。
あの時って、簡雍（かんよう）は何してたんだろうな？
簡雍？あの劉備の部下の？
コーエーの三国志ゲームで政治70ぐらいの微妙な男ですよね？
ゲームでは、だいたい後ろで内政やらせる文官。
いや、政治70あったら、弱小勢力だと序盤の内政の要だぞ。
僕は弱小勢力ではプレイしませんから。
厳白虎で『東呉の徳王』プレイしないのかよ！
しないですよ！
部下に変な弟しかいないじゃないですか。
で、その簡雍が、
桃園の誓いのときにいたんですか？
いたっぽいんだよ。
簡雍は字を憲和といい、琢郡の人である。若いころから先主と旧知の仲で、つき従って転々とした。
ちくま学芸文庫/陳寿・井波律子/正史三国志
先主とは劉備。劉備と同じ琢郡出身だ。
いたっぽいですね。
しかも、旧知の仲ってことは、関羽や張飛よりも付き合い長いのかな。
だから、桃園の誓いで、
劉備は関羽と張飛に簡雍を紹介してるでしょ？
「こいつ簡雍っていうんだけど、こいつもよろしくな」って。
こういうのって突然やられると、
「あっ、はぁ」ってなりますよね。
そう。予め言ってもらえると、心がまえができるんだけどね。
まぁでも関羽、張飛はそんなコミュ障じゃないから大丈夫でしょ！
関羽、張飛は体育会系っぽいしな。
だから尚更、簡雍は何してたのかなって。
なんか華がないし、宴会の裏方でもやってたんじゃないですか？
グループの Youtuber でも絶対裏方いるでしょ？編集したりする人。
お～い、ふざけんなよ！
劉備三兄弟を Youtuber 扱いしやがって。
桃園で BFF って。
なんだそれ？
Best Friend Forever
ズッ友か！
株式会社ズットモってあるみたいですよ。
なんだそれ！なにやってんだ！？
桃園でBFFは動画が短そうだから、
ショートとか TikTok ですかね。
じゃあなおさら簡雍のやることがない！
ただ、簡雍をちょっと調べてみると、
コミュ障どころかコミュ力は劉備らより上のようなんだよ。
というか、コミュ力の化物っぽいんだよ。
えっ、そうなの？
三国志演義の簡雍
まず『三国志演義』の簡雍をざっと見てみよう。
- 呂布討伐の密約が呂布にバレた際、曹操に救援を求める使者となる。
- 糜竺と徐州を守備する。後の劉備対曹操で敗戦になると落ちのびる。
- 劉備と一緒に袁紹に身を寄せる。後に、袁紹からの脱出の策を劉備に授ける。
- 劉備らと汝南に駐屯。曹操に敗れ、みんなと荊州に落ちのびる。
- 夏侯惇との博望坡の戦いで、孔明に祝宴の準備を命じられる。
- 長坂の戦いで、突然陰陽師に。占いは大凶の兆し。
- 呉と連合。鄂県を守る。後に孫乾と夏口城を守る。
- 劉璋への使者となる。劉璋を降伏させる。
演義でのデビューが、対呂布時の曹操への使者だ。
このとき、
”姓簡、名雍、字憲和、現爲玄德幕賓。”
と、簡雍の姓名、字、劉備玄徳の部下であることが紹介されてる。
やっぱり文官ですね。
しかし、守りが多いですね。
劉備軍は人がいないから、
文官でも守りはしないといけないんだよ。
じゃあ僕のコーエー三国志での使い方は正しかったんだ！
劉備が袁紹の元に身を寄せているとき、
劉備、孫乾と協議し脱出策をを進言している。
どんな策だったんですか？
袁紹に、荊州の劉表へ曹操討伐依頼の使者となることを進言するんだ。
営業マンがサボるときみたいですね。
営業マンは戻るけど、劉備は戻らないからな。
で、
劉備はこの策を採用する。ただしひとつ気になることがあった。
おまえはどうするんだ？
たしかに。
みんながゾロゾロついてったら、抜ける気なのバレますね
簡雍は答えた。
簡雍曰、『某亦自有脫身之計。』
おれの脱出する策もまたある、
と。
かっこいいですね。
宴会の準備と突然の設定
ただ気になるのが荊州時代ですよ。
宴会の準備してるじゃないですか！！！
しかも孔明に命令されて。
諸葛亮孔明に宴会の準備を命令される。一生自慢できるな。
博望坡の戦いってことは、孔明のデビュー戦ですよね？
関羽と張飛がブーブー言うんですよん。趙雲は素直だけど。
そのときだね。
孔明は武闘派たちに指示を出した後、
糜竺兄弟、孫乾、簡雍の文官組にも命を下してる。
孔明謂玄德曰、『主公今日可便引兵就博望山下屯住。來日黃昏、敵軍必到。主公便棄營而走、但見火起、卽回軍掩殺。亮與糜竺・糜芳引五百軍守縣。命孫乾・簡雍準備慶喜筵席、安排「功勞簿」伺候。』
色々書かれてるけど、
注目するのは、
簡雍が孫乾と祝宴の準備のところか。
宴会の準備！これで決まりですよ！
やっぱり桃園のときも宴会の準備してたんですよ！
孔明は劉備からその時の話を聞いてたんじゃないですか？
「あいつ宴会の準備うまいんだよ」って。
宴会部長なんですよ。
それと、気になるのは『長坂の戦い』よ。
『長坂の戦い』といえば、
張飛の長坂橋での仁王立ちでしょ、
それと趙雲の阿斗救出の短騎駆けでしょ、
それと、簡雍の陰陽、大凶ドーン、だよ。
知らなかったですよ。
簡雍の占いなんて。
突然与えられた簡雍の陰陽師設定。
兆しは大凶…、今夜よくないことが起こる…。
その夜、曹操軍が襲撃してきた。
このとき簡雍は、劉備に民を置いて逃げろと進言してるね。
ご存知のように、劉備は逃げなかったわけだ。
まぁ、でも曹操軍が襲撃してくることは、みんなわかってましたよね。
誰でも占えるんじゃないですか？
違うんだよ。
このとき、簡雍は負傷して趙雲に救出されてんだよ。
おまえ個人の占いかい！！！
正史三国志の簡雍
せっかくなんで正史三国志の簡雍もみてみようか。
どうせこんな感じですよ。
琢郡に生まれる、
宴会の準備する、
死ぬ
貴様～、簡雍をなめるなよ。
- 字は憲和。琢郡の人。若いころから劉備に従う。
- 劉備の話し相手で、使者の役目を果たす。
- 劉璋にめちゃくちゃ気に入られ、劉璋降伏の使者の任務をこなす。
- 性器漫談で劉備から爆笑をかっさらう。
劉備の前でも、
なお足を投げ出して坐り脇息にもたれ、だらしのないかっこうをして、心のままにふるまっていた。
脇息は、肘掛けのことみたいだ。
仲がいいって言っても、劉備は主君でしょ。
だらしない恰好をして、ひじ掛けにもたれてたんですか。
なんか大分イメージと違いますね。
劉備でこれだからね。
他にはもっとひどいよ。
諸葛亮以下に対しては、自分だけ長椅子を占領し、首を枕にのせ横になったまま話をし、彼らのために自分の気持ちを曲げるようなことはしなかった。
寝てる！！！。
劉備以外だと起きることすらしない。
こんなんで嫌われないんですかね？
のびのびした態度でみごとな論をなし、性格は傲慢・無頓着で、
やっぱり傲慢・無頓着って書かれてるんですね。
無頓着ってところがいいのかもね。
元の本名は耿雍だったみたいだぞ。
ただ、地元幽州での耿の発音が簡だったから、簡雍に変えちゃったみたいだぞ。
なんだそれ！変なヤツだなあ。
でも相手によって態度をかえてないんですよね。
それは好かれるよね。
女の子に、
「おっ○い大きいねえ」
とか言ってたんですかね？
簡雍は言ってるでしょ。
でも、嫌われないタイプなんだよ。
こういう人って、ちゃんと場や相手を考えてるから。
いる！そういう人！頭がいいんだなあ。
胡軫とは大違いですね。
そんなだから劉璋にも好かれ、劉璋の降伏を成功させた。
帰り道は、劉璋と一緒の輿にのって城から出て来たと。
コミュ力が化け物！
これは大功だよ。演義にも書かれてるしな。
ただ演義ではこのとき、当時劉璋配下の秦宓に態度の悪さを怒られて素直に謝ってる。
正史の簡雍みたいですね。
素直なところもあったから好かれたんだろうなあ。
高祖劉邦のときの酈食其のような末路にはならなかった。
抱腹絶倒の性器漫談
さて、簡雍お得意の性器漫談にもふれようか。
ちょうだい！性器漫談ちょうだい！
旱魃で酒が禁止となり、酒を醸造した者が罰せられる時があった。
ある者が酒の醸造道具を持っていただけで罰せられることになってしまった。
道具をもっていただけですか…。
そんな時、劉備は簡雍と散策に出ていた。
すると、一組のカップルをみて簡雍がいう。
「あいつら淫らなことするぞ。逮捕しよう」
劉備はいう。
「なんでそれがわかる？」
簡雍はいう。
「あいつらはその道具をもっている」
…。
ドカーーーン！劉備大爆笑！
ついでに酒の道具を持っていた人も赦された。
それはよかったですね。
なんかアメリカンジョークみたいです。
「おまえのママと一緒にいたからさ、ワーハッハ」
そんな感じです！
これに関して、最後に気になる一文が加えられているんだよ。
簡雍の機智は、すべてこういうふうであった。
すべてこんな感じなの！？
すべてだよ。
もしかしたら、なんでも性器につなげることができたのかも。
ドブロックみたいですね。
そりゃ劉璋も離さないわけだ。
五十音か知らんが、
何を言われても、性器に関する言葉で返せたのかもしれない。
じゃあ、
ち！
ちん○こ！
しょうもなさすぎません？
桃園の誓いの簡雍は？
で、
結局、桃園の誓いのとき、簡雍は何をしてたんですかね？
『桃園の誓い』は三国志演義の創作だとは思うけど、
決起集会みたいのはやったと思うんだよ。
絶対やりますよ。
酔って熱くなってる若き英雄たちを、
簡雍は横になりながらニヤニヤ見てたんだろうな。
性器にからめてたんでしょうね。
三国志漫画の簡雍
三国志漫画の簡雍を見ていこう。
やっぱり、劉璋を降伏させたところが気になりますね！
横山版『三国志』の簡雍
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では、まず演義ベースの横山版『三国志』を見てみよう。
まずはデビューとなった曹操への使者だ。
劉備と曹操が密かに呂布を討とうとしてたんですよね。
その密約の使者が呂布側に捕縛され露呈
呂布は激怒し劉備に兵を向けた。劉備は慌てて曹操に救援を求める。
これが簡雍ですか？
劉備は「密偵を放て」って言ってますよ。
簡雍の役目なんだけどね。
密偵が代わりにやることになっちゃった。
デビューは持ち越しですね。
袁紹からの脱出場面をみてみようか。
一時曹操の元にいた関羽が戻って来るところですね！
袁紹に身を寄せていた劉備のところへ関羽の使者が現れた。
関羽は五関を突破し近くまで来ているという。
しかも、離れ離れになっていた張飛や奥方も一緒とのこと。
久々の全員再会だ！
あとは袁紹の下から逃げるだけ！
劉備は関羽の使者にこう告げた。
えっ？
翌日、劉備は袁紹に進言した。
「もし荊州の劉表が味方につけば袁紹様の完勝は間違いございませぬ」。
えっ、簡雍は？
劉備、自力で策を思いつく。
えぇーーー！！！
簡雍の出番がぁ。
じゃあ宴会は？夏侯惇倒した後の宴会？
孔明と簡雍で準備してました？
宴会はめっちゃ盛り上がってたぞ。
準備の様子はなかったけど。
すごい盛り上がってる！
おーい！それ、簡雍が準備したんだぞ！！！
長坂の占いは？
なし！
「民を置いて逃げろ」って言ったのは？
関羽。
えぇーーー！！！
でも、劉璋降伏がありますよね？
あれは簡雍にしかつとまらないですよね？そうですよね？
…。
劉璋への降伏の使者となったのは…、
この男だ…。
馬超！！！
字は孟起。
いやぁ～、残念だね。
ここまで簡雍の功績が奪われるとは。
全部じゃないですか！
もはや存在が消されてますよ。
キン肉アタルのように予言書を燃やされて存在を消されたのかもしれない。
くそ～、またキン肉マンスーパーフェニックスかぁ。
寺島・李版『三国志』
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お次は、寺島・李版『三国志』の簡雍を見てみよう！
絵がキレイな三国志ですよね。
簡雍出てくるかなあ。
安心してください。
簡雍でますよ！
あっ、なんか聞いたことある。
絶対大丈夫なやつだ。
演義簡雍デビューとなる曹操への使者、
その場面がこちら！
これが…、
簡雍ですか？
簡雍だよ。
劉備が曹操に送った使者といえば簡雍しかいないんだから。
う～ん…、
そうでしょうけど…、
なんかもうちょっと…、
はっきりしたのがほしい？
そうですねえ。
やっぱり「簡雍」って名前が出て欲しいですよね。
横山版みたいに、ただの密偵かもしれないし。
わかりました。
では、袁紹からの脱出協議場面をみていただこう。
簡雍って書かれてる！
どっちが簡雍ですか？
右だね。左が孫乾だ。
このあと簡雍はこう言ってる。
「劉備どのいかがですかな、この案で」
なんか軍師っぽいですね！
そしたら、宴会の準備は？
簡雍、宴会の準備してます？
それはない。
占いは？
それもないね。
まぁ、しょうがないか。
でも、さすがに劉璋降伏シーンはありますよね？
簡雍でてますよね？
劉璋降伏の使者は、
この人です。
馬超！！！。
字は、孟起。
いやぁ、さすがは馬超、超パワー型降伏勧告。
なんでまた馬超なんですかぁ、
簡雍の一番の手柄なのに…。
日本の三国志関連作品に大きな影響を残した吉川英治版『三国志』が、
劉璋降伏の使者に馬超を起用してるんだよ。
吉川先生が…。
ならしょうがないかあ。
でも、なんでだろう。
性器漫談がハマんなかったのかもね。
簡雍の自業自得か。
『蒼天航路』の簡雍
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『蒼天航路』の簡雍をみてみよう！
気ままにやってんなぁ。
ここに劉備が会いに来る。劉備の方から会いに来るってのがいいよね。
劉備はいう。
「荊州に残しておいても何の役にも立たねえだろうから連れてきたが」
何の役にも立たねえって言ってるけど、
仲が良いからこその戯言ですよね。
この後に下世話な話で盛り上がり、龐統に「ありえん」って言われてる。
すんごい仲良し！
『蒼天航路』の簡雍の風貌は、正史の簡雍をイメージした姿そのまんまですよ。
この時の雑談で劉備は、
百日宴で簡雍がずっと劉璋の酌をさせられていた、と言っているよ。
劉璋に愛されてますね。
劉備が蜀獲りに動き、
涪城を陥落させた後の宴でも、
劉備の隣で話相手になってる。
王妃のポジション！
やはり何と言っても。
”その三百三十一、珠玉の使者”での簡雍よ。
劉璋降伏ですね。
成都を包囲した劉備軍、さらに諸葛亮孔明も合流。
孔明が持ち込んだ大量の犀と攻城兵器によって、
劉備軍の陣容はおどろおどろしいほど威圧を帯びたものになった。
孔明が曹操っぽくなってるんですよね。
そこに、
「大仰な兵器を並べ立ておって！城ん中はもう充分ぴいぴい言っとるじゃろうが！」
と簡雍が登場。
単身、成都城に歩を進めていった。
背中がかっこいいなあ。
この背中に劉備がかけた
「頼んだぜ」
という言葉とのその表情は信頼に満ちていたよ。
おじさんたち、
やるときゃやるなあ。
また劉璋との場面もいいんだよ。
とにかく温かくて。
また読みたくなりましたね。
ランペイジの簡雍
続いては、『ランペイジ』の簡雍！
あれ？『ランペイジ』ってたしか、
黄巾賊の鄧茂が強かったあの『ランペイジ』？
そう！黄巾党討伐で終わってしまった幻の三国志。
黄巾の乱で終わったってことですよね。
序盤も序盤ですね。
謎の女性が、
「張角様…さようなら…憧れていました…」
って終わっちゃうんだよ。
憧れ！？
そこだけ言われても訳がわからないですね。
バキでいうなら、
鬼頭流柔術鬼頭文吉が廊下で加藤清澄に倒されたところで終わったようなもんよ。
あんな鼻血たらしたとこで終わり？
てか、鬼頭たちは黄巾党？
「鬼頭様…さようなら…憧れていました…」
誰が言ってんの！？
さて、そんな『ランペイジ』なんで、
当然、登場武将もだいぶ限られてます。
それなのに簡雍が出てくるんですか？
三国志演義での簡雍のデビューは、対呂布時の曹操への使者ですよね？
正史三国志の若いころから劉備に従うってのを採用したんだろうね。
こちらをご覧ください。
…なんか、
簡雍ちょっと…、
おばさんみたいですね。
この簡雍はなぜかずっと、
おネエ言葉なんだよ。
おネエ言葉？
簡雍がおネエなんですか！？
よくわからないけど、。
おネエじゃないですか！！！
しかし、劉備もまたかわいらしいですね。
言わなかったっけ？
劉備は美少女だよ。
えっ、そうなの！？
だからおネエの簡雍と仲がいいのか！
やるなあ！
この簡雍が、
曹操へ救援の使者に行くところも見たかったよ。
断られたかもしれないですね。
現代と価値観が違うからね。
劉璋も徹底抗戦したかもしれない。
成都城門に簡雍の首をかかげて。
簡雍がおネエになるだけで、
歴史が変わったかもしれないですね。
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