独眼鉄、下衆堕ち！武人の魂が小便とともに流れてしまう【その②】

男塾のカルトヒーロー、男爵ディーノの生き様を刮目して見よ！

その②です！

一号生を呼び出した三号生。しかし、呼び出しておいてその道に立ちふさがる者たちがいた！

それが『鎮守直廊三人衆』だ！

はい！鎮守直廊（ちんじゅちょくろう）の三人言えますか？

正解！

鎮守直廊とはつまり廊下を守る…、

いや、廊下を護ららされた人たちだ。

しかも同級生にだ！

前回は、この三馬鹿の失態と、お揃いで入れたタトゥーについて触れました。

今回はそのタトゥーによって出場権を手に入れた、

『大威震八連制覇（だいいしんぱーれんせいは）』についてです！

『大威震八連制覇』は、一号生と三号生によるタッグマッチの大会。

鎮守直廊三人衆にとっては、かませ犬としての地位を確立させた重要なイベントだ。

独眼鉄ね…。

鎮守直廊三人衆の面々は、卍丸ら『男塾死天王』と呼ばれる格上の同級生とタッグを組みます。

廊下を守らせてた側だね。

独眼鉄は死天王のセンクウとタッグを組んだ。

センクウ・独眼鉄タッグの対戦相手は、一号生の富樫源次と飛燕のタッグだ。

まず独眼鉄と飛燕（ひえん）による闘いから始まった。

独眼鉄は持ち前の仁王流拳法を駆使して、この飛燕を圧倒した。

ムチムチボディのくせによく動くんだよ。
でもね..、

なぜか勝利目前でね…、

下衆堕ちしてしまったんだ。

その気持ちはわかるよ。ホンットに残念でした。

飛燕を絶体絶命の状況に追い詰めた独眼鉄は、そこで飛燕の顔に傷をつけはじめた。

飛燕は男塾一の美拳士でね。

独眼鉄は歪む飛燕の顔を見て、悦に浸った。

もしかしたら、独眼鉄はずっとこの癖を抑えてたのかもしれない。それが飛燕の美を前にして暴発してしまった可能性がある。

人間って、どんな性癖をもっているかわからないものだね。

ブチキレた飛燕に反撃されて逆転負け。

失神の挙句に失禁、まさに因果応報。

そんなもんは小便と一緒に流れちまったよ。

蝙翔鬼（へんしょうき）にも触れておこう。

彼は卍丸とタッグを組み、初戦でJ・雷電組と戦った。

Jとは再戦となるね。

蝙翔鬼は必殺の南朝寺拳法を繰り出し、強者のJを苦しめる。

この闘技場の足場は非常に悪く、ボクサーのJにとっては特に不利な地だった。

まぁ、それを抜きにしても蝙翔鬼の拳法の腕前は相当なものだったよ。

Jのパートナーである雷電は、Jが不利と判断し交代、雷電と蝙翔鬼が闘った。

この交代は功を奏す。雷電に形勢が傾きはじめた。

ここで蝙翔鬼が本領発揮。拳法でかなわないとみるや、伝家の宝刀”卑劣”を炸裂させた。

蝙翔鬼は、偽の命乞い、仕込み刀の毒など卑怯の限りをつくす。

バカ正直な雷電は全部ひっかかる。

形勢を逆転させた蝙翔鬼、見事に雷電を討ち取った。

ちなみにこのとき、

雷電は蝙翔鬼のことを”〇人鬼”とよんでいます。

同級生には廊下を守らされてるしね。

キレたJに、

またぶん殴られて負けた。

こうして独眼鉄と蝙翔鬼もは、人として堕ちるとこまで堕ちました。

とはいえ、実力を見せることには成功してます。

そう、問題は男爵ディーノです。

ディーノは、まず引きが悪すぎた。

対戦相手が元関東豪学連総長の伊達臣人だったんだ。

伊達は、塾生最強の剣桃太郎に比肩する力をもつ。

そのうえ、とてつもなく口が悪い。

男塾死天王の羅刹だ。

伊達はディーノと闘う前にこう言い放った。

「俺の敵は後にひかえている羅刹とかいう男のようだ」

しかし、今回のディーノは一味違います。この程度の挑発には乗りません。

虎丸に廊下でぶん殴られ時から成長しています！

しかも、無理して”ですます調”を使って大物感を出すこともやめました！

男爵ディーノ、キャラ模索中です。

さぁ、伊達との闘いが始まりました。

開始早々ディーノの必殺の武器が宙を舞う。

それが、『棘殺怒流鞭（きょくさつどるべん）』だ。

そう、棘殺怒流鞭。

このトゲつきの恐ろしい鞭は石柱すらもバラバラに…。

さしもの強者伊達臣人でも、ひとたび当たれば一溜まりもありません。

しかし、

これが、

ぜんっぜん、当たりません！

当たりません！

棘殺怒流鞭は、当たりません！！！

ディーノはあっさり背後をとられました。

そして自慢の髭を「悪趣味だ」とバカにされると、それを無慈悲にむしりとられました。

先輩です。

伊達はそういう男なんです。

ディーノは切り札を出します。

それが、『死穿鳥拳（しせんちょうけん）』。

死穿鳥拳とは、ディーノのトレードマークであるシルクハットから、死穿鳥という猛禽を繰り出し攻撃する恐ろしい技だ。
死を穿つ鳥、死穿鳥。

“鳥と鞭との二段攻撃は誰にもかわすことができない！“

と、ディーノは思ってます。

ハゲが『死穿鳥拳』じゃないって！

たまたまあんな風にハゲちゃったの。

ちょっとハゲから離れて。『死穿鳥拳』の話なんだから。

なんと、死穿鳥の嘴には猛毒がぬってあります！

ひとたびその嘴が当たれば、その者には凄惨な死が訪れる…。

しかし、

ぜんっぜん、当たりません！！！

棘殺怒流鞭は軌道を変えられ、死穿鳥に誤爆！

そして、その自慢の鞭は奪われ、なんとディーノ自身が巻かれてしまいました。

結局、伊達にカスリ傷ひとつ負わせることなく、完全敗北となりました。

たしかに無残、たしかに不憫。

ただ、同胞の２人が下司の極みを晒すなか、

ディーノは正々堂々と戦ったんです！そこは褒めてあげてください。

それもちゃんと事前に告知したからね。

毒塗ってるよって。

腐っても男爵、蝙翔鬼とは違うのよ。

そもそも猛毒が嘴についた鳥をね、ハゲた頭の上に隠し持ってたのよ？

ちょっと鳥が動いてハゲ頭に傷でもつけたら、それでおしまいよ？

こうして、鎮守直廊三人衆の『大威震八連制覇』は散々な結果に終わりました。

その通り！

しかし、落ちるとこまで落ちたら、あとは上がるしかない。

次の天挑五輪大武會の予選、この三人のうち二人が男を見せます！

舞台は天挑五輪大武會（てんちょうごりんだいぶかい）に移ります。

この大会には、一号生から三号生までの総勢16人の塾生が出場することになった。

我らが鎮守直廊の三人もめでたく出場が決定となりました！

かもね。

ディーノの出番はすぐに来た。

予選リーグニ回戦『狼髏館（ろうろうかん）』戦の二番手だ。

かなり悩んだと思うよ。

悩みすぎたのか、訳のわからないテンションになってる。

「ピースピース」って。

ディーノも人間だからね。

凹んで悩んだ挙句の「ピースピース」よ。

前回ディーノに完勝した伊達臣人もそう思ったのかもしれない。

「この俺をてこずらせた程の男だ。ディーノのおっさんの力をあなどっちゃいけねぇぜ」

さて、ディーノと対するのは『狼髏館』の鎮獰太子だ。

鎮獰太子はディーノにこう言った。

「貴様は俺の敵ではない」

伊達の舐め方もきついけど、直球は直球で傷つくよね。

さすがにディーノもこんな顔になりました。

さらに鎮獰太子は舐める。

足元に自分を囲うような円を描き、そこから出たら腹を切る！と宣言した。

さあ、舐められた男爵ディーノはどうする！？

もちろん、あれしかない！

そう！棘殺怒流鞭（きょくさつどるべん）』！

そう思うのも無理はない。

だからディーノは新技を身に着けてきた！

その名も棘殺怒流鞭・匍蛇撃嵐（ほじゃげきらん）』！

あの強力な棘殺怒流鞭が文字通り嵐のように敵に襲い掛かる恐ろしい技さ。

そんな場面はないけど、陰で練習してたと思うよ。

当たりません！！！

ぜんっぜん当たんない！

新技でも当たんない！！！

一回も当たってません！

棘殺怒流鞭は当たらない！！！

棘殺怒流鞭が当たらなかった男爵ディーノは、

ついに奥の手を出します。

しょうがないでしょ。

棘殺怒流鞭が当たらないんだから。

「またハゲてるし！」ってなんだよ！

一度ハゲたんだから、そりゃハゲたままさ。

さぁ、ディーノの棘殺怒流鞭と死穿鳥拳の恐ろしい二段攻撃だ！

どうする？鎮獰太子！？

鎮獰太子は、まず己の辨髪で死穿鳥をはたきおとした。

棘殺怒流鞭を楽々とかわし、辮髪をディーノの首に巻きつけた。

そして、そのままディーノ身体を髪だけで宙に浮かし、

振り回し、

最後に脳天から地面に叩きつけた。

ディーノ、失神。

完全敗北です。

前回の伊達臣人みたいにってこと？

全然そんなことないよ。

この鎮獰太子は、次にその伊達と戦ってあっさり負けたよ。

しかも同じ様に縛りプレイされてね。

独眼鉄はこの『狼髏館』の大将、宗嶺厳と戦いました。

そうだね。

でも、結果は完敗。手も足もなかった。

前の飛燕戦のように凌辱する余裕はまったくなし。

「男とはなんぞよ」って言ってた時を思うと、だいぶこじんまりしちゃったね。

それでも命こそは助かった。しかし、宗嶺厳が男塾を侮辱、独眼鉄は激高した。

「自分が侮辱されてもかまわない、だが男塾を侮辱されるのは許せない」

そして、敵わないと知りつつも宗に向かっていった。

しかし、あっさり返り討ち。

チャームポイントの独眼を潰され、こういわれた。

「独眼鉄が無眼鉄になっちまったな」

さらに、背骨と脊髄を折り曲げて丸められ、球体と化してしまった。

そうなのよ。この熱い姿に塾生だけでなく、なんと読者も心をうたれた。

たしか、その後の人気投票で、独眼鉄は9位か10位にランクインしたと思う。

入るかい！

そもそも攻撃が当たってないんだから！