魁!!男塾の『民明書房』で一番だまされてしまう逸話を決める。
今回はその②
①はこちらから。
誰もが信じてしまう『民明書房』を決める。
前回は、『驚邏大四凶殺』までやりました。
暫定では『盤流氷』が、もっとも騙されてしまう『民明書房』となってます。
北海道の不知火山にあるというキノコ型の氷ですね。
実際に騙された人がネットで質問してましたね。
実例があるのは強いね。
そして、ワーストは『大鐘音』。
さすがに、100キロ離れたところでは聞こえないでしょと。
東京熱海間ですからね。
神奈川こえてますし。
さて、今回はいよいよ『大威震八連制覇』です。
みんな大好き鎮守直廊も登場。
そもそも鎮守直廊が『民明書房』だからね。
えっ!そうなの?
では、はじめましょう!
三の関兵学校の体罰『盥支蝋』
一発目いくよ。前回同様、多少端折るからね。
男塾名物『盥支蝋(かんしろう)』
民明書房刊『教育と体罰』より。
いきなりやべえタイトルだ。
『驚邏大四凶殺』が終わり日常に戻った男塾で、虎丸が受けた体罰だ。
そもそも日常が常軌を逸してる。
頭上になみなみと油の入ったタライをもちあげる。そのタライの油面に木っ端にのせた蝋燭を浮かべる。タライを少しでも微動させれば蝋燭は倒れ、火だるまとなるは必定である。
民明書房刊『教育と体罰』
火だるまになるって。
でしょうね!
油に火をつけるんですから。
明治維新直後、その熾烈苛酷さの教育で猛名をはせた三の関兵学校に於いて体罰のひとつとして行われたという。
民明書房刊『教育と体罰』
また兵学校ってとこがリアルだなあ。しかも明治維新直後だしね。
この令和の時代ですら体罰が問題になるんですからね。
この間もどっかのサッカー部が報道されてましたよ。
明治時代なんて体罰は普通にあったでしょ。
タライを持ち上げさせるぐらいはやってそうだよなあ。
ただ、油に蝋燭はやらないでしょ。木造建築の学校が多いだろうし。
さすがに、これは信じないですね。
ただ、この『三の関兵学校』ってのは本当にあったんですか?
どっちだと思う?
前回めっちゃ引っ掛かったからな。もう引っ掛からないですよ。
これもないんでしょ?
ないですね。
ただ、当時あった海軍兵学校の場所は、広島県の江田島。
えっ!?
当時は、江田島といえば海軍兵学校を意味したようだよ。
ちょっと待って、だって…。
そう、男塾塾長の名も江田島平八。
さぁ、次いきましょうか!
東の大林寺、西の空嵐寺『鎮守直廊』
『鎮守直廊』。
民明書房刊『中国武術大覧』より。
出たー!鎮守直廊!!!
鎮守直廊三人衆言えますか?
正解です。
ご存じ、同級生に廊下を守らされてた人たちね。
中国清代、東の大林寺と並ぶ西の空嵐寺の拳法家たちが修行を極めた証として最後に挑戦した。
本殿にのびる直廊の中はいくつかの房で区切られ、その中に仕掛けや番人がおり、ぬけた者だけに修行証が授けられたという。
民明書房刊『中国武術大覧』
あの三人はこれを真似してたんですね。
卍丸あたりにのせられたんでしょ。
おもろそうだからやってみろ!って。
でも、これはありそうですよね。
中国拳法ってなんらかの最終試験がありそうだよね。
『バキ』でも列海王が黒曜石をまん丸にしてたしね。
やってた!あれ最終試験でしたっけ?
ただ、どうせこの大林寺と空嵐寺はないんでしょうけど。
でも、『鉄拳チンミ』のチンミは大林寺拳法だぞ。
えぇ~!あるの!?大林寺?横浜のじゃなくて?
大林寺の有無は置いといて、逸話としてはちょっと薄味かな。
もうちょい濃いエピソードがほしかったところ。
前回の『羅惧美偉』みたいですね。
テンピン肉というはこれなり『天稟掌波』
『天稟掌波』。
民明書房刊『中国三千年の歴史に学ぶ現代人の知恵』より。
これはまさか!あの外道先輩の!
そう!われらが蝙翔鬼先輩が一号生Jに嫌がらせしたときに使った技だね。
中国武術三千年の歴史を誇る南朝寺教体拳最大の秘技とされている。この技を極めたという明代最高の拳士林周明は、百メートル頭上を飛ぶ鳥を落としたという。これから俗に落鳥拳とも呼ばれている。
民明書房刊『中国三千年の歴史に学ぶ現代人の知恵』
りんしゅうめい?
ちなみに林周明は料理人としても当代髄一といわれ、天稟掌波で落とした鳥は肉がよくしまり、その料理は最高の宮廷料理として珍重された。現代でも最高の鶏肉をテンピン肉というはこれなり。
民明書房刊『中国三千年の歴史に学ぶ現代人の知恵』
「いうはこれなり」、じゃないよ!
なに?天稟掌波で落とした鳥は肉がよくしまる?
みたいだね。
てことは、天稟掌波をくらった一号生のJは、
肉がかなりしまってたんだろうな。
グロいですね。
でも、これは騙されれますよ。
最高の鶏肉はテンピン肉。
100メートルは盛ってるだろうと思わせておいて、後半のテンピン肉を信じさせる。高等なテクニックだよ。
このテンピン肉、実際に使った人いたんじゃない?
女の子にいいところ見せようとしてさ、
高級レストランとかで、もししゃべってたら…、
うわぁー。
ウェイターさんに、
「これはいいテンピン肉ですね」
地獄ですね。
ウェイターさんも、
「はあ?」
ウェイターも民明書房を読んでればいいけどね。
そしたら、
「こちらは鳥取県産大山どりのテンピン肉です」
って。
素敵な返し!
でも、支配人に怒られそう。
「さっき変なこと言ってなかった?テンピン肉が…」
そしたら早口よ。
「中国三千年の歴史をもつ南朝寺教体拳の林周明は稀代の料理人でもありまして天稟掌波で落とした鳥は肉がよくしまり宮廷料理でも使われてることから…」
やべえ奴ですね。
蝙翔鬼も大好き『謝砕節』
続いても蝙翔鬼ネタ。
『謝砕節(しゃさいせつ)』。
民明書房刊『亜細亜刑史大系』より。
出た『謝砕節』!!
外道ワングランプリでやりましたね。シンプルにひどいやつ。
そうです。蝙翔鬼が動けないJの指を折った。これが『謝砕節』。
名前つければいいってもんじゃないですよね。
中国宋代、拳闘士の決闘で勝者がその証として敗者の両手の指を第一関節からすべて折り、拳を一生使えなくして封じたという。なお、食事だけはできるように右手の親指と人差し指だけは残したという。
民明書房刊『亜細亜刑史大系』
右手の親指と人差し指だけは残してあげたんだね。
優しいですねえ。
いや、なら折るなよ!!!
カツアゲして帰りの電車賃だけ残した、みたいなもんでしょ。
おれも外国で睡眠薬を盛られて身ぐるみ剝がされたとき、小銭は残してもらえたからなあ。
あれはうれしかったなあ。
感謝するなよ!
そもそも盛るなって!
しかし、この『謝砕節』。
第一関節からすべて折るって、結構めんどうだよね。
決闘後でしょ?
『謝砕節』なんかしてるより休みたいですよね。
青木真也選手だって嫌でしょ。こんな細かいところチマチマ折ってくの。
蝙翔鬼ぐらいですよ。こんなことしたいの。
学校や職場の先輩が、
「知っておるか、謝砕節を」と言い出したら要注意だね!
骨折られフラグ!
パラレル戦国時代の『爆挺殺』
『爆挺殺(ばくていさつ)』。
民明書房刊『戦国異聞記』より。
富樫源次がダイナマイトを身体にまきつけて邪鬼に挑んだやつね。
スイカ頭だ!
やめてよ幽幻道士。懐かしすぎて泣けてくるよ。
戦国時代一二五七年。濃越の国主豊善長友の守定兼と、習野の国主黒羽行康の松ケ原合戦の折り、黒羽軍の侍大将江藤新兵衛が単身火薬を背に敵本陣に突入し自爆。見事、敵将長友の首級をあげたという。
民明書房刊『戦国異聞記』
今回は日本史だね。
今までも家康、武田信玄、上杉謙信と有名な戦国武将の名が出てきたけど。
豊善…定兼?と、黒羽行康?
聞いたことないですね。『信長の野望』に出てきます?
いや、出てこないよ。
だって濃越の国と習野の国だよ。聞いたことないでしょ。
ないですね。
なんかパラレルワールドみたいだ。
そこよ。
そもそも一二五七年って、戦国時代ではない。
元寇撃退でおなじみの北条時宗が執権になったのが一二六八年だ。
え~!
なんか、昔2ちゃんで見た異世界に行った話みたい。
松が原合戦だもんな。
こういう世界線があるのかもしれないね。
てことは、まさか『民明書房』って異世界の記述!?
知りすぎないほうがいい。
英雄グンジーの愛刀『愀象刀』
『愀象刀(しゅうぞうとう)』。
英学館刊『インド 母なる大地を往く』より。
今回は『民明書房』ではなく『英学館』だね。
またありそうなタイトルだなあ。
てか、ついにインドかい。
『愀象刀』は男塾の帝王・大豪院邪鬼の愛刀だ。
邪鬼の持っているのは愀象刀金剛丸。一号生を呼び出した時に抜いた刀だ。
古代インド・マウリヤ王朝の英雄グンジーが用いたといわれる刃渡り5メートル重さ約50キロの豪刀。グンジーはそのひと振りで象をまっぷたつにしたということからこの名がついた。現代でもインド・パンジャブ地方では愀象祭が行われる。
英学館刊『インド 母なる大地を往く』
古代インド・マウリヤ王朝とか言われても本当か嘘かさっぱりわかんないですね。
そこだけだったら全然わかんないけど、英雄グンジーが思いっきりガンジーに寄せてるから助かるね。これは騙されないでしょ。
象をまっぷたつですからね。
刃渡り5メートルって相当でかいですよね。
大太刀使いの戦国武将、朝倉家の真柄直隆。
その『太郎太刀』で160cmぐらいだってさ。
倍以上じゃないですか!どうやったら振るの?
大型のキリンぐらいだね。
たしかに、大型のキリンを研いで象に叩きつけたら、まっぷたつにできるな。
キリンを研ぐってなによ。
作中でも剣桃太郎が愀象刀金剛丸に乗ってたよ。
このときは邪鬼がさらにデカかったしね。
大型のキリンを振り回すには、相当なフィジカルが必要でしょうし。
片丹者は蔑まれた『鬼達磨刺青』
『鬼達磨刺青(トーチントウ)』。
英学館刊『中国武闘三千年』より。
トーチントウ?
知ってるでしょ?『鬼達磨刺青(トーチントウ)』。
鎮守直廊三人衆が失態を犯したときに、
おそろいのタトゥーを入れて挽回を誓ったやつだよ。
あれかー!
中国唐の時代、当代随一の拳法家である英翔珍が御前試合で猿孫に敗れたとき、その屈辱を晴らすべく、鬼達磨の刺青をほり、片方だけ目を入れて必勝を期した。そして三年後、見事猿孫から勝利を手にし、両目を入れたという。
英学館刊『中国武闘三千年』
新しいパターンだなあ。
達磨に目を入れるというお馴染みの風習に、
『鬼達磨』『英翔珍』『猿孫』という全く馴染みのないワードをまぜてきたね。
詐欺師は事実を混ぜるって言いますもんね。
いつまでも両目を入れられない者を片丹者(へたんもの)といって蔑んだという。
英学館刊『中国武闘三千年』
片丹者、ありそう!
片目といわず片丹よ。
丹ってどういう意味ですか?
わからん。
丹田とか言うよね。臍あたりのところ。
あの丹は、霊薬、不老不死の薬とかそんな意味らしいよ。
で、片丹者か。
うん、全然わかんない。
なぜこんなことを?『灼赤棒』
『灼赤棒(しゃくせきぼう)』。
英学館刊『騎馬民族の逆襲』より。
鎮守直廊編最後の『民明書房』だ、『英学館』だけど。
灼赤棒よいうのは邪鬼が握っていた焼けた棒だ。
桃にも、握れ、とかました。
熱いでしょ?なんですんなことするんですか?
一千年前、蒙古人の決闘の儀式の際に用いられた。青銅の棒を灼熱させ両者が握りあうことでお互いの遺志を確認しあったという。
英学館刊『騎馬民族の逆襲』
別に、そんなことしなくても確認できるでしょ。
準備もあるしな。
棒を熱してる間に「なんでこんなことするんだろう?」って疑問抱いちゃうね。
邪鬼はこれをもって『大威震八連制覇』が成立するといってる。
拒否したらどうなるんですか?
敗北が確定する。
めちゃくちゃだなあ。
邪鬼がえらいのは、
その説明をしている間、
ず~っと『灼赤棒』握ってるからね。
握るタイミング間違っちゃったんだ。
今さら戻せないし。
そこはやっぱり先輩だからでしょ。
そもそも邪鬼はそういうとこあるんだよ。真面目に遊ぶ、みたいな。
『淤凛葡繻十六闘神(オリンポスじゅうろくとうしん)』の『聖紆麈(ゼウス)』と毒蛇マッチやってたし。
Youtuber むいてそうですね。
邪鬼が Youtube 始めたら見るわ!
この『聖紆麈(ゼウス)』とは三日三晩闘ったこともあるしね。
暇なだけでしょ!だから留年すんのよ。
邪鬼ってすごい人望あんだよ。
こういうところが慕われるんだろうな。
今回のベスト騙され民明書房とワースト騙され民明書房
以上、鎮守直廊あたりに登場した『民明書房』でした。
さて、どれに騙された?
今回は”テンピン肉”で決まりでしょ。
『天稟掌波』ね。これは絶対騙された人がたくさんいたはずだよ。
『鬼達磨刺青』もよかったけどね。
鬼達磨!これもたしかに信じちゃうわ。
でも、今回は”テンピン肉”の『天稟掌波』かね。逸話も濃厚だし。
ちなみにワーストは?騙されないほう。
象を真っ二つでしょ!『愀象刀』!
次回はいよいよ『大威震八連制覇』開始です。
『灼赤棒』、握っちゃいましたからね。
③につづく。
出典:集英社/宮下あきら/魁!!男塾
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