その中で、誰もが騙されてしまう嘘話を決めようシリーズ。
今回はその⑯、ついに最終回。
①はこちらから。
前回はこちら。

引き続き『七牙冥界闘(バトルオブセブンタスクス)』編です。
今回が最後なので、今まで選んできた各回のベストとワーストを見てみよう。

ベストが騙されてしまう民明書房で、ワーストが騙されない民明書房ですね。
ベスト
- 北海道不知火山で見れる『盤流氷』
- テンピン肉というはこれなり『天稟掌波』
- 史実より弱い『勝利賽子』
- 羅刹が空を舞う『鼯樵橤拳』
- ケッペルの法則『無明察相翫』
- VELT’S INVENTION『膨漢丹』
- ネオム『煇光蛍』
- 決して手を開くべからず『指撥透弾』
- 目は口ほどにものを言う『體動察』
- 黒ヨガ『ラーマ・ヨガ』
- 薄氷を踏む思い『硫陿氷樹』
- 禁じ手模写矢倉『千日颮鏡』
- これをやらねば侍にあらず『剣座天虣耐』
- 気性の荒い樵『浮木流闘』
- 実は違法行為『垂鼇尖』

錚々たるメンツですね。
史実より弱い『勝利賽子』って何でしたっけ?

武田信玄が戦前に使った占いサイコロだね。
ワースト
- 100キロ離れても聞こえた『大鐘音』
- 英雄グンジーの愛刀『愀象刀』
- 中津川大観登場『八竜の長城』
- 男爵ディーノの愛鳥『死穿鳥』
- 攣鵠蝙蝠20匹『乖宙浮遊體』
- 盃野郎の源『死頂盃』
- 通報案件『晏逅寺軟體拳』
- 李筴振が語源『凶獬面閶殺』
- 狼少年 ー拳ー『狼蒼拳』
- ドザイ・モーン『水龍䩬球』
- かけそばの由来『瞬徼刹駆』
- EYEこそすべて『透闇視』
- バットマンかく語りき『魔翔流気法』
- 振り回したい兄『覬相鋼怨面』

英雄グンジーの愛刀『愀象刀』って象を真っ二つにする刀ですよね。

刃渡り5メートルね。大豪院邪鬼はそれの愀象刀金剛丸ってのを持っているよ。

意外にそういうところ細かく作ってますよね。
アマルナの黄昏『晏逅寺軟體拳』は?

生まれてすぐ酢漬けにされるやつ。

あれか!あれはひどい。

今回が最終回。
今回選んだベストとワーストに、上記を加えて全体のチャンピオンを決めよう。
爆火硝石を三度の食事に『爆賸繋飯』

『爆賸繋飯(ばくしょうけいはん)』。
日本曙逢莱武術協会理事長 盛田慎之介談。

出たあああ!!!盛田慎之介!!!

曙逢莱武術協会理事長盛田慎之介再登場です。
でもさ、前回の『無髐楼覚』ときって、そんなめちゃくちゃなこと言ってなかったよね。

中枢である脳が感覚を知覚している、とかなんか小難しかったんだよ。
それで我々は、盛田を口実に、理解できない話から逃げたんだよ。

たしかにそれはありましたね。
あまり内容には触れなかったですし。
今回はきちんと向き合いましょう!

“苛烈なる中国拳法にあって自らの敗北を悟り死を覚悟したとき、相手を道連れとすることを目的とした一世一代の最終奥義。この奥義の使い手は幼少の頃より、不消化系の爆火硝石などの粉末を三度の食事に混入し、以来成人となるまで、それらを体内に蓄積した。そして、いざ有事のとき奥歯に仕込んでおいた発火マグネシウムを嚙み砕き体内の火薬と化学反応を起こさせて相手ともども爆発したのである“。

めちゃくちゃ言ってるじゃないですか!
なに”爆火硝石を三度の食事に混入し“って。大丈夫なの?

爆火硝石は知らんけど、硝石(硝酸カリウム)は食品添加物に使われるみたいだぞ。

じゃあ、癌になるだけですよ。
なに奥歯で爆発って。

“ちなみに現代においても五目御飯のことを「カヤク御飯」と呼ぶことがあるが、その由来は前述した修業者達が御飯に混ぜた火薬であることはいうまでもない“。

うわぁ!!!

「カヤク御飯」、
言っちゃったね。

そこは避けて欲しかったですね。

盛田は民明書房の入社試験に落ちたのかな?

なんか民明書房より雑ですよね。

当然、騙されないわな。
三段変化『天釐蜘巣』

『天釐蜘巣(てんりんちそう)』。
日本曙逢莱武術協会理事長 盛田慎之介談。

また盛田!

続くね。
しっかりあの顔もあるよ。


笑ってますね。
そんなおもしろい話なんですか?

これは神拳寺の義蒋が使う蜘蛛の技だ。

“中国拳法には猛獣・昆虫・爬虫類などを飼育・教育して独特の技として完成させたものが多々あるが、この奥義もそのひとつである。利用される蜘蛛は中国山東省の菊露山にだけ生息するという禽瓶蜘蛛と呼ばれる肉食性動物であり、体からくり出される糸はピアノ線並の強度と瞬間接着剤並の粘着度を合わせもっている。性質は飼い主に対してのみ非常に忠実で攻撃命令の下った敵に対しては獰猛無比であり、一度でもその巣にかかれば絶対に逃れられないという“。

中国の”菊露山“にいる”禽瓶蜘蛛(きんぺいぐも)“ってのを飼いならすことができるみたいだね。

虫なんてバカなんだから飼いならせないでしょ。

そして、この中国山東省の”菊露山“よ。
この山も実在するか怪しいね。

北海道の”不知火山“パターンですね。

なんにしても、笑うとこなんてなかったでしょ?

続きあるよ。

“ちなみに英語で蜘蛛のことを「SPIDER」(スパイダー)というが、これはこの奥義を極めんと蜘蛛の調教に挑んだ西洋の武闘家達がことごとく失敗に終り、そのとき発した言葉「失敗だ~」が「スッパイダ~」→「スパイダー」と変化したのはいうまでもない“。

これはひどいですよ。

三段変化は初めてだね。

こんな雑なの今までありました?

最も騙される民明書房を決めようってやってきたけど、
これが全体を通してのワーストかな。

最有力でしょ!

盛田はこれで笑ってたんだね。

「失敗だ~」で爆笑してたんですか。その笑いのツボだと生活が不便でしょ。
しかし、このままずっと盛田が続くんですか?

どうなることやら。次を見てみましょう。
棒忭点具『體透覉』

『體透覉(たいとうき)』。
日本曙逢莱武術協会理事長 盛田慎之介談。

盛田ああああああ!!!!

この『體透覉』を含めて、残りはあと3つです。
このまま盛田でいっちゃうのかな。

ちなみに、『體透覉』は、前述の蜘蛛使い義蒋に対して、男塾の新入生となった元梁山泊泊鳳が繰り出した梁山泊の秘奥義です。

昨日の敵は今日の友ですね。

“映画や小説などで日本の忍者が石や木などを描いた布を自らの身に覆い周囲の風景と同化させて身を隠すのはよく知られている。中国拳法においては、己の肉体そのものに同化すべく風景を描き擬態化させていた“。

隠れ身の術ですね。
でも、これは現代の兵士もやりますよね。

迷彩着たり顔にペイントしたりね。

“当然、この技を極めんとする者には卓越した絵画的才能と戦闘中における筆のすばやさが要求された。奥義皆伝書は常時、懐中に10色から12色の染料と絵具を忍ばせていたという“。

えっ!戦闘中に描くの?

泊鳳は1vs1の闘いでこれを一瞬でやりとげたよ。いきなりチンポコだしてね。

チンポコだしたってことは全身に描いたのか。
いや、どんだけ時間かかるのよ?
だいたいバレるでしょ。

“ちなみに、1960年代末、サイケデリックムーヴメントが華やかりし頃、己の肉体をキャンパスとしたボディ・ペインティングなるジャングル(ジャンルの異化)があったが、これはこの奥義最大の達人と言われた棒忭点具(ぼうべんてんぐ)の名に由来した説が有力である“。

何言っているかわかんなくなってきたな。

ジャングルがよくわからないですね。

てか、盛田は本当に雑ですね。

“棒忭点具(ぼうべんてんぐ)“に人名らしさがないしな。ただの当て字。
それに比べると、”呉竜府(ごりゅうふ)”は秀逸だったなあ。

盛田になってから、全く騙される気配がないですね。

残り、あと二つ。
武術総師範代現る『降龍天臨霹』

『降龍天臨霹(こうりゅうてんりんへき)』。
日本曙逢莱武術協会武術総師範代 竹乃本秀路談。

なんか新しいヤツ出てきた――――!!!

“総師範代“っていういまいちよくわからないポジション。

師範代は、師範の次ですよね。
その中でトップってことですか?

師範代以上師範未満か。

ちなみにこの『降龍天臨霹』は、ドンブリ頭で有名な王大人が杖を振り回して空を飛んだ技ね。

すげぇな、ドンブリ頭の王大人。

“古より現在に至るまで、世界各地には人が空を飛ぶという鳥人伝説が多々あるが、中国においては金斗山に住むという仙人が有名である。本来「降龍」は仙人が四年に一度民衆の前に山から下界に降り姿を現すという意味であった“。

“「降龍」は仙人が四年に一度民衆の前に山から下界に降り姿を現すという意味であった“。
この降龍の件はいいね。本当か嘘かわからない。

そんな伝承がありそう!
竹乃本さんは盛田よりまともそうですね。

“それを現実に拳法に具現化させたのが、中国拳法史上最大の奥義である。この降龍天臨霹である。これを極めるためには、両端に羽状形態を有する杖・棍などを尋常ならぬ速さで回転させる手首の力は勿論のこと、ずば抜けた平衡感覚が必要とされる”。

要は、手動でプロペラみたいに羽根を回すってっことですか…。
なんか怪しくなってきましたね。大丈夫?、竹乃本さん。

“ちなみに現代のヘリコプターは前述の金斗山に住んでいたという聘李古浮(へいりこふ)の名に由来するという事実はあまり知られていないのは残念なことである。尚、読者諸兄特に幼年の子供達においては、くれぐれもこの奥義を極めんとして路上で棒きれなどを振り回さぬよいう厳重に注意しておく“。

大丈夫じゃなかったー--!!!

“残念なことである“とか、”厳重に注意しておく“とか、近寄りがたい人柄が出てるね。

“聘李古浮(へいりこふ)”も雑だし。
盛田のほうがマシだったんじゃないですか?

ちなみに、御尊顔ね。


やべぇ顔してんなあ!

さて、いよいよ次が最後の一本ですよ。

最後は、盛田か、それとも竹乃本か。

他、いないの?
おかえり『宙磁闟斬刀』

『宙磁闟斬刀(ちゅうじきゅうざんとう)』。
民明書房刊『マグネットパワー ―21世紀をこう変える―』より。

民明書房!!!!!

俺たちの民明書房が帰ってきたよ!

よかったぁ、ホントよかった。
盛田とか竹乃本とか変な人ばっかり出てきてたから。

最後はやっぱり民明書房だね!
では、行きましょうか!

はい!

“知っての通り磁石にはS極とN極があり、異極間には強い結合が働くが、同極間では強い反発力が働く。この原理を応用したのが中国拳法幻の秘奥義といわれた宙磁闟斬刀である。この技の要諦は、あらかじめ闘場となる場所の地中に磁界をつくる強力な磁石を無数に埋めておき、磁気を帯びた鉄粉を混入して作られた刀剣を用いることにある。つまり、土中からの磁力と刀剣の磁力は同極であり、これによって宙に浮かぶのである“。

ちなみに、これは武幻城四闘仙のひとり幽鬼之丞が使った奥義。刀を宙に浮かせ、手を使わずに自在に操った。

そのトリックが磁力ってわけですね。

そして、あらかじめ闘場となる場所の地中に磁石を埋めておくと。
民明書房も大概だね。

同じ穴の狢でしたね。
でも、よかったですよ。最後に民明書房で締めれて。

さて、今回は以上です。
まず、この回の騙されベスト民明書房を決めたいのですが…、
あった?

ないですね。どれも全く騙される気配がありませんでした。
ワーストは「失敗だー」ですけどね。

『天釐蜘巣』ね。

結局、盛田案件は全部ひどかったですよ。

竹乃本もやばかったしな。

曙蓬莱はぶっとんでました。

では、以上を踏まえると、こうなります。
ベスト
- 北海道不知火山で見れる『盤流氷』
- テンピン肉というはこれなり『天稟掌波』
- 史実より弱い『勝利賽子』
- 羅刹が空を舞う『鼯樵橤拳』
- ケッペルの法則『無明察相翫』
- VELT’S INVENTION『膨漢丹』
- ネオム『煇光蛍』
- 決して手を開くべからず『指撥透弾』
- 目は口ほどにものを言う『體動察』
- 黒ヨガ『ラーマ・ヨガ』
- 薄氷を踏む思い『硫陿氷樹』
- 禁じ手模写矢倉『千日颮鏡』
- これをやらねば侍にあらず『剣座天虣耐』
- 気性の荒い樵『浮木流闘』
- 実は違法行為『垂鼇尖』
- なし

この中から一番を決めるんですよね。
難しいなあ。

甲乙つけがたいからね。
そうなると、騙された人が「やられた!」って思えるのがいいよね。

そこが重要ですよね。
そうなると、片岡鶴太郎さん触手説の『ラーマ・ヨガ』は外れますね。

テンピン肉『天稟掌波』、ケッペルの法則『無明察相翫』
、VELT’S INVENTION『膨漢丹』、ネオム『煇光蛍』、この辺りじゃない?

テンピン肉の『天稟掌波』は食事系なんで話しやすいですよね。

使いやすさは一番!
ただ”百メートル頭上の鳥を落とした”ってところが難関だね。

たしかに高すぎますね。
そもそも『天稟掌波』なんて無理だろって思われそう。

ロマンチシズムならネオムの『煇光蛍』。
夜景を一緒に観れる女の子がいる男なら、普通に使えるでしょ。

古代エジプトでは蛍を照明にしてたって、おしゃれですもんね。
でも、そんな女の子いないから外しましょ!

VELT’S INVENTION『膨漢丹』か、ケッペルの法則『無明察相翫』

INVENTION の英語の意味がよくわからないんですよね。

たしかに!英語でちょっとボヤけるね。

てことで、最も人を騙せる民明書房は、ケッペルの法則『無明察相翫』で決定です!

はい!ありがとうございます。

ワーストは、盛田の「失敗だー」かな。

そうですね。
赤子でも信じないでしょう。
出典:集英社/宮下あきら/魁!!男塾
コメント