修羅の門、なかなか本気を出さないベスト12！飛田高明は、龍造寺徹心は、不破北斗は、本気出す!?【前編】

前回、『修羅の門』の金的をやったでしょ。

毅波秀明だ。

それと、片山右京や海堂晃にも少しふれたね。

せっかくなんで、彼ら以外の男達にも触れたいと思います。

神武館四鬼竜の一人、陣雷浩一。

その激しいファイトスタイルから、

『ハリケーンソルジャー』の異名を持つ猛者だ。

バットをへし折るほどの威力を持つローキックで、

陸奥九十九をひざまずかせた。

そのローキックのすさまじさから、

『ローキックの鬼』の異名を持つ。

『ハリケーンソルジャー』でもあり、

『ローキックの鬼』でもある。

そんなのはない。

陣雷は、その重く激しい蹴り技のラッシュで、

陸奥九十九の「本気」を初めて引き出した。

「次からは本気だよオレ…」

そうなんだよ。それに陣雷も答える。

「言っとくがオレも….本気だぜ….」

武神こと神武館館長龍造寺徹心は、

「殺し合い」という言葉を使ったよ。

この闘いを経て、

後に陣雷は九十九の良き理解者の一人となる。

キックボクシング日本ミドル級チャンピオン、

竹海直人。

そのストイックな性格や求道的姿勢から、

『キックの武蔵』と言われる男だ。

キックボクサーとしての誇りも高い男だ。

陸奥九十九との試合では、

開始早々、右上段回し蹴りからの激しいラッシュをしかける。

今までこのラッシュを受けて倒れなかった男は一人もいなかったという。

陸奥九十九は初めてそれをしのいだ。

さらに、竹海はヒジも使う。

竹海のヒジで陸奥のほほはざっくりと切れた。

しかし、陸奥は竹海のヒジに右正拳を合わせ、

さらにヒジで竹海の胸部を打った。

『陸奥圓明流肘技蛇破山』だ。

竹海のヒジと鎖骨が粉砕された。

いや、竹海は笑ったんだよ。

ライガー会長曰く、

「竹海の本当の恐さを知るのはこれからだ。」

『ラジャダムナンの奇跡』だよ。

次代シュートの星！

シュートボクサー、羽山悟！

強いよ！

あの日本跆拳道（テコンドー）チャンピオン村井光雄を、

ただの回し蹴り一発で倒したんだぞ！

その羽山がね、

全日本異種格闘技選手権で九十九と対戦するときに、

グローブを外して挑んだよ。

つけてた。

『優しき天才』とも言われる羽山は、

相手を慮ってグローブを着用してたんだよ。

その羽山が外したんだよ。

それを受けて、陸奥九十九もいう。

「オレも本気になっていいみたいだね」

闘いは、互いの回し蹴りが交錯して始まった。

膝をつく両者。

動いたのは、羽山。ハイキック、膝蹴り、そして投げ。

陸奥九十九は頭から地面に叩きつけられた。

しかし、その攻撃の最中に、九十九は奥義『指穿』で羽山のダメージをついていたんだ。

羽山が口を開く。

「おまえならつかわせてくれると思ったんだ」

パンチだ。

羽山はデビュー戦、

右フックで相手を再起不能にしてしまったために、

パンチを封印してたんだ。

まだだね。パンチで本気だ。

羽山がそのパンチを放つ！

紙一重でかわす九十九！

しかし、九十九のほほはざっくりと切れていた。

いや、まだ6割だ。

今度は羽山の右ストレート！

九十九はなんとかガード！

しかし、後方に吹き飛んでしまった。

いや、8割だ。

いや、戸愚呂弟が羽山リスクペトなんだよ。

このハードパンチャーの強敵に対して、

陸奥はついに『陸奥圓明流牙斬』を繰り出すんだ。

プロレス界最強の男、

新格闘王、飛田高明！

恵まれた肉体に、一流の打撃、

さらに、超一流のサブミッションも持つ。

強いぞ！

『プロレスの神様』といわれたフランク・クラウザーの愛弟子だ。

その師であるクラウザーの本気ジャーマン・スープレックスを切り返し、

即座に変形脇固めで腕をへし折ってしまった。

本気のジャーマンです！

それを飛田は返してしまった。

いや、本気ではなかった。

クラウザーが言うには、

飛田は生まれつき強い体を持っており、無意識にリミッターをつけている。

なので、常に力をおさえて闘っているんだ。

8割だ。

スパーリングとはいえ、

飛田はリミッターがかかった状態で、

神様クラウザーの本気ジャーマンを返してしまったのだ。

陸奥九十九との試合開始直後、クラウザーはこう言っている。

「今日のヒダは….リミッターがかからないパーフェクトファイターだ….」

さて、その陸奥九十九との試合だ。

はじめ飛田はガードを高く上げ、受けに徹した。

そこに九十九が『双龍脚』を放つ。両足による回し蹴りの連続技だ。

しかし、飛田はそれをガード！返す刀に強烈なミドルキックを放つ！

しかし九十九も『浮身』で受け流す！

激しい打撃の応酬だ！

いや、外してないよ。

外してない。

でも、外れないんだから、しょうがないでしょ。

外し方はいまいちよくわからん。

ただ、陸奥九十九が多くの強敵を沈めた『虎砲』、

飛田はこれを受け、ようやくリミッターが外れた。

でも、リミッターが外れてからは、

凄まじいサブミッションの攻防が繰り広げられたよ。

たしかに危なかったけどね。

飛田のタフネスじゃなかったら、『虎砲』で終わってたかもしれない。

『虎砲』は本当に強いから。

神武館空手の館長で、

『生ける武神』と呼ばれた男、

龍造寺徹心。

全日本異種格闘技選手権ではＢブロックに入り、

圧倒的な力で勝ち進んだ。

あの桜華流拳術の伊達光院を回し蹴り一発で倒したほどだ。

準決勝を前に、愛弟子である海堂晃は、

本気の龍造寺徹心が見られるかもしれない、と言っている。

本気出さずよ。

なんせ、あの柔道の泰山大悟を、

空手を使わずに、柔道で勝ったぐらいだ。

そもそも龍造寺徹心は今までの60年あまりの人生で、

本気を出したか、わからないらしい。

ボケてないよ。

そんな龍造寺徹心が本気を出すかもしれない。

なぜなら、相手が不破圓明流の不破北斗だからだ！

龍造寺対不破の闘いは、静寂から始まった。

両者一歩も動かず、重い空気が場内を包む。

先に動いたのは、生ける武神。常人ではとらえられない速さで拳を突き出した。

不破は、その拳に拳を合わす。

さらに、不破は肘で龍造寺徹心の脇腹を強烈に突き飛ばした。

『不破圓明流裏蛇破山、朔光』だ。

武神は笑みを浮かべながら言った。

「どうやら、本気にさせて、もらえそうじゃの….」

海堂はこの裏蛇破山で、徹心の肋骨が折れたという。

さらに、もし不破の技が陸奥と同じレベルなら、

神武館館長は100％の力を出せずに負けると見立てた。

まぁ、でもここからね。

龍造寺徹心はあっつい魂を見せてくれたから。

不破圓明流、

不破北斗。

雌伏の時代に終りをつげ、

不破圓明流が日本格闘技界に君臨するために表に出てきたという。

対不破戦、

珍しく陸奥九十九が、かかってたよ。

この闘いを試合ではなく、「ただの殺し合い」と断じた。

珍しくいきなり陸奥がしかけた。

下突きから回し蹴りと打撃のラッシュ！

挑発めいた言葉も浴びせ、締めは『双龍脚』だ！

たまらず、不破北斗がたおれた。

陸奥は「たてよ」とうながす。

不破はこたえる。

「本気というのはどういうものか….見せてやろう….」

「不破北斗の….本気をな….」

ここからは、圓明流同士の凄まじい闘いになったよ。

是非、見てくれ。

終わってたよ。