【黒十字軍】戦隊モノの始祖・秘密戦隊ゴレンジャーの第一話はシュールに富んだ名作！【第一話感想】

子どものときは観てたよ

いやぁ、わかんないなあ。

はい？

棒太郎？赤が肉欲棒太郎？

あの、風俗ビル立てた地上げヒーローが実写化か。

おう、時代だねえ。

肉欲棒太郎のスーツもイエローだけどな。

赤はもう主役じゃないの？

コンセプトはなに？

肉欲？

日曜の朝にふさわしいね。

桃太郎なんだ。

いや、暴太郎って。製作者にナニ金ファンいるでしょ。

で、戦う相手は鬼なの？

鬼は仲間なんだ！

じゃあ、誰と戦うのさ？

やっぱり帝国金融か。

そのスーパー戦隊シリーズの初代って知ってる？

漫画読んだことある？

ゴレンジャーの原作は

石森章太郎先生よ。

石ノ森になる前の石森時代の作品だね。

今回はこれの第一話だけを紹介するよ。

物語は『EGL』と呼ばれる組織の支部が

次々と謎の怪人たちに破壊されていく所から始まる。

北海道、東北、関西、九州。

どこも派手に爆破されて全滅。

ある日、

主人公の海城剛（ツヨシ）は

父が主である少林寺拳法の道場に呼びされる。

不満の色を隠さないツヨシ。

なんせツヨシはこれから彼女の陽子と

『ゆかいな仲間』というおもしろい映画を見に行くところだったのだ。

この映画が本当にあるのよ。1974年に。

原題は『Beautiful people』。

動物のドキュメンタリーだ。

そして、ツヨシは父から

赤いコスチュームを託される。

そうなんです。

でさぁ、スーパー戦隊って今知らない人いないでしょ。

われわれの世代ですでに物心ついた時にはスーパー戦隊を認識してたよね。

スーパー戦隊シリーズの世界でも、

先輩から後輩に引き継ぎとかやるでしょ。

スーパー戦隊ですらスーパー戦隊のことを知ってるんだよね。

そう、紀元前の話よ。

そこでクイズです！

コスチュームを見たツヨシの第一声はなぁ～んだ？

ちなみに、第一話ではツヨシの年齢について触れられてません。

ただ、トレンチコート着てバイクを乗り回します。

出てきちゃったね。後輩なんだね。

仮面ライダーも石森先生だし。

そのあとツヨシはお父さんに、

「アカレンジャーだ！」って

突っ込まれます。

さて、ツヨシの返した言葉はな～んだ？

悪くないね。

正解は、

「え？」

でした。

そこへ突然、謎の覆面集団が現れる。

覆面たちはアカレンジャーとなったツヨシに襲いかかり、

彼女の陽子を人質にとる。

しかし、

コスチュームで身体能力が劇的に上昇したアカレンジャーは、

覆面たちを返り討ちにしていく。

そう。

アカレンジャーは屋根の上まで軽々と飛び上がり、

覆面の火炎放射器の火炎にも耐え、

水の中でも苦しむことなく泳いだ。

そこで、ツヨシの父が言う。

「もういい、それまで！！」

そして、父の口から衝撃の事実が語られる。

さらに、

父は『黒十字軍』という闇の組織について語りだした。

『黒十字軍』はあらゆる国々から

重要機密、研究データ、そして科学者を盗み出し、

それを高値で売りつけることをビジネスとしたスパイ集団だ。

それらの盗品の多くは盗まれた国が買い戻すことが多かったが、

中には、値がおりあわず敵対国に渡ってしまうこともあった。

父はツヨシに問う。

その結果？

ブッブー！

正解は、

トラブルがおきる！

なに、その態度。

ツヨシを見なよ。正座してクイズにのぞんでるよ。

だから答えが出せるんだよ！クイズは姿勢！

で、その『黒十字軍』に対抗するために作られたのが

『EGL』であり、ツヨシの父はその関東支部の責任者であった。

ちなみに『黒十字軍』の旗がこれね。

ほぼドイツの軍旗、鉄十字だね。

鉄十字はプロイセンから使われている意匠だから大丈夫よ。

現在も軍旗として使われているしね。

まずいのはナチスのハーケンクロイツ。

でも、ナチス時代は軍旗にハーケンクロイツを入れられて

ごちゃごちゃしたこともあるよ。

この点は日本と違うね。

日本は軍旗の旭日旗に、日の丸や大政翼賛会の意匠が入ってこなかったね。

これが当時の日本軍とドイツ軍の会合の写真。

互いの軍旗を掲げてるよ。

ちなみに、ロシア空軍。

日本とちょっと似てるよ。

そんな『黒十字軍』に対抗するために、

『EGL』は『秘密戦隊』創設の構想を立ち上げた。

そして戦隊のためにコスチュームを作ったわけだ。

開発したのは元科学者であり現在はカレーハウス『ゴン』の主人だ。

実は、彼女の陽子はこのカレーハウス『ゴン』のウエイトレスだ。

ツヨシは知らなかったけど。

陽子も『EGL』のメンバーだ。

そして、覆面男たちも道場生であり、『EGL』のメンバーだ。

何も知らなかったのはツヨシただ一人だ。

腹を立てたツヨシは道場を飛び出し、

ひとりラグビーユニフォームに着替え、

ラグビーボールを宙高く蹴り上げるのだった。

一方そのころ道場には

『黒十字軍』仮面ドクロ軍団長の魔の手が忍び寄っていた。

ツヨシが帰ったときには道場は壊滅状態。

父は息を引き取る寸前に『ゴン』と口にする。

父の遺言に従い『ゴン』に向かうツヨシ。

そこに仮面ドクロ軍団長が襲い掛かる。

仮面ドクロ軍団長に銃口を向けられるツヨシ。

危機一髪の状況で現れたのが、

コスチュームに身を包んだ四人のヒーローたちだった。

そう、メンバーは

アオレンジャー、新命明。

モモレンジャー、ペギー松山。

キレンジャー、大岩大太。

ミドレンジャー、明日香健二。

そして、アカレンジャー、海城剛。

そうだね。

第一話でのメンバーの印象は、

アオは、ニヒルなクールガイ。

モモは、活発なキュートガール。

キは、気はやさしくて力持ち。

ミドリは、曲者な小兵。

ってとこだね。

だいたいこのイメージだよね。

ちなみに仮面ドクロ軍団長はツヨシがきっちり仕留めました。

このあと『ゴン』の地下施設に行ったりもするけど、

第一話はざっとこんなところです。

ここから数十年の時を経て、

いろいろな大人たちの試行錯誤が積み重なり、

肉欲棒太郎が誕生するわけだ。